月の裏側には、表側よりも「月の海」が少なく、明るい高地と多数のクレーターが広がっています。太陽光が当たらない暗い面ではなく、裏側にも昼と夜があります。地球から直接見えないため「裏側」と呼ばれています。
NASAの月探査機LROが撮影した全体像を見ると、地球から見慣れた表側より黒い平原が少なく、細かな衝突跡が目立つことがわかります。この記事では、実際の写真、地球から見えない理由、表側との地形差、南極エイトケン盆地、裏側へ到達した探査機を順に解説します。

月の裏側は写真でどう見える?
月の表側とは、地球からいつも見えている側です。黒っぽい模様の多くは「月の海」と呼ばれる玄武岩質の平原です。一方、写真で見る裏側は、月の海が少なく、明るい高地と大小のクレーターが目立ちます。
| 比べる点 | 表側 | 裏側 |
|---|---|---|
| 地球から | 直接見える | 直接は見えない |
| 月の海 | 大きな海が多い | 少ない |
| 見た目 | 黒い平原が目立つ | 明るい高地とクレーターが目立つ |
| 代表的な地形 | 嵐の大洋、雨の海など | 南極エイトケン盆地など |
ただし、月の裏側は「太陽の光が当たらない暗い場所」という意味ではありません。月も自転しているので、裏側にも昼と夜があります。英語の far side も、地球から遠い側という意味です。
なぜ地球から月の裏側が見えないのか
月が地球を1周する時間と、月が自転する時間がほぼ同じためです。この同期した回転は潮汐ロックと呼ばれ、地球からはほぼ同じ面が見え続けます。
月の動きにはわずかな揺れがあるため、長期間では月面全体の約59%まで地球から見ることができます。それでも裏側の中心部は見えません。潮汐ロックの成り立ちは、月はなぜ同じ面しか見えないのかで詳しく解説しています。
月の表側と裏側の違いを理解するには、月の海、クレーター、探査写真が載った図鑑が役立ちます。写真の多さ、対象年齢、月面地図の見やすさを確認しましょう。
表側には月の海が多い
月の表側で目立つのが、黒っぽく見える「月の海」です。海といっても水があるわけではなく、昔の火山活動で流れ出した溶岩が固まった広い平地です。月の海は表側に多く、裏側にはあまり見られません。
表側に月の海が多い理由は、月の地殻の厚さや内部の熱の残り方が関係していると考えられています。表側では溶岩が広がりやすかったため、黒っぽい平地が多く残りました。裏側は地殻が厚く、同じような広い海ができにくかったと考えられています。
月の海について詳しく知りたい場合は、月の海とは何かもあわせて読むと理解しやすくなります。
裏側にはクレーターが多い
月の裏側は、表側よりもクレーターが多く、でこぼこした地形が目立ちます。表側にもクレーターはありますが、月の海におおわれた場所では、古いクレーターが見えにくくなっています。
裏側は広い月の海が少ないため、古い衝突の跡が残りやすく、クレーターが多く見えます。裏側だけに隕石が多く落ちたというより、表側では溶岩が古い地形を覆ったことも見た目の差につながっています。
裏側の南半球には、直径約2,500kmの南極エイトケン盆地があります。月面最大級の衝突盆地で、JAXAの「かぐや」による全球地形データでも月面で最も低い地域がこの盆地内にあると確認されています。詳しい地形は、JAXA宇宙科学研究所の月球儀解説で確認できます。

月の裏側はいつわかったのか
月の裏側は、長い間、人間が直接見ることのできない場所でした。初めて裏側の姿が撮影されたのは、1959年にソ連の探査機ルナ3号が月の裏側を撮影したときです。
その後、探査機によって月の裏側の地形が詳しく調べられるようになりました。現在では、月の表側と裏側で地形が大きく違うことが、探査データからわかっています。

月の観察だけでなく、月探査にも興味がある場合は、月面写真や探査機の記録を見ると、表側と裏側の違いがより実感しやすくなります。
月の裏側に人工物はある?
月の裏側には、探査のために人類が送り込んだ人工物があります。中国の嫦娥4号は2019年に月の裏側へ初着陸し、嫦娥6号は2024年に裏側から試料を持ち帰りました。NASAのLROは、嫦娥6号の着陸機を裏側のアポロ盆地で撮影しています。
一方、人工都市や宇宙人の基地が見つかったという科学的証拠は公表されていません。探査機の実画像と観測結果を確認したい場合は、NASAのLRO観測記事が参考になります。
月の裏側や探査の歴史に興味があるなら、月探査の本を読むと理解が深まります。探査機、月面写真、宇宙飛行士の話がどのくらい載っているかを確認しましょう。
地球から観察できるのは表側
私たちが望遠鏡や双眼鏡で見る月は、基本的に表側です。裏側を直接見ることはできませんが、表側にも月の海、クレーター、山脈など、観察できる地形がたくさんあります。
クレーターを見たいときは、満月よりも半月に近い時期が向いています。明るい部分と暗い部分の境目に影ができるため、地形の凹凸が見えやすくなるからです。観察日を決めるときは、月齢カレンダーの見方も役立ちます。
月の大きさや地球との距離を知っておくと、表側と裏側の話も理解しやすくなります。数字で比べたい場合は、月の大きさと重さも参考にしてください。
まとめ
月の裏側は地球から直接見えない側ですが、暗い面ではありません。NASA LROの写真では、表側より月の海が少なく、明るい高地とクレーターが目立ちます。
裏側には南極エイトケン盆地があり、探査機も着陸しています。地球から見えない理由は自転と公転の同期、表側との見た目の違いは地殻の厚さや火山活動の歴史が関係しています。実際の写真と一次情報を合わせて見ると、月の裏側を都市伝説ではなく科学的に理解できます。

